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さよなら妄想

現実と妄想の狭間で

売上の低迷が続くマクドナルドで奮闘する一人のマザー

月初になると前月のアクセス数や広告収入を発表する人を目にするけど、それよりもマクドナルドから発表される売上低迷の知らせが私を酷く落胆させる。今年に入ってからも下がり続ける売上を見ては、一人の美女を心配せずにはいられなくなってしまう。

その美女とは地元の最高傑作と言われた逸材で、性格も成績も良く、程よく実ったボデーで「天は二物を与えた」と誰もが口にするほどの高嶺の花。名前が【エリ】ということもあり、お馬鹿な連中はティッシュメーカーとかけて「エリエールする」と言っては頭の妄想をフル稼働させていた。

そんなエリエールは地元の低レベルな男ではなく、大学で出会ったこれまた優秀な彼氏と順調に交際を続け、25歳でめでたく結婚。旦那さんは超がつく程の有名企業でキャリアを重ね、結婚式から約1年後には長女が誕生した。こうして誰もが羨む成功街道を突き進んでいた。

 

それから数年後、私が当時住んでいた町のマクドナルドで店員として働くエリエールを見た。『あれ?』と聞くと『お母さんも子供見てくれるし、少し働こうかなと思って!』と、妊娠前まではデパートガールとして働いていたエリエールらしい選択ではあるが、ファーストフード店で働く姿を見るのは少し違和感も感じた。

それでも、数年ぶりに見たエリエールは相変わらず美しかった。例えばポテト。『パオパ♪パオパ♪パオパ♪』とポテトが揚がり、出来上がったポテトに程よく塩を振りかける姿はまるで妖精のようで、そのシーンを見る度に毎回食べたくもないハッピーセットを頼んでしまっていたのは私だけではないはず。

しかし、やはり引っかかる。なぜ、旦那が一流企業勤めなのにパートをしているのか?ということ。ファーストフード店で働くのがNGではなく、お子さんを預けてまで働く必要があるのかな?金銭面ではない何かがあるのかな?という予想は直ぐに的中してしまう。

 

“幸せだったはず”のエリエールは結婚5年目で離婚することになった。原因は旦那さんの浮気。浮気というよりは愛人が数名いたらしく、エリエールも我慢の限界を超えてしまったようだ。当然親権は彼女に渡り、セレブママから働くママに変わって地元へ帰還する。驚いたのは地元へ戻ってもマクドナルドで働いていたこと。どうやら、パート時代の働きっぷりを本部が評価したらしく、社員に昇格したようだ。エリエールにはこういう未来が見えていたのかな?なんて考えたが、傷ついている彼女にそんなこと聞く権利は私にない。

 

その後地元へ戻る度にエリエールが働くマクドナルドへ行ってみた。当然ながらネームバッジの名前は旧姓で、以前よりも疲れた表情から、現在の苦労が垣間見えた。それでも彼女はお客さんが来る度に元気よく声を出し、以前よりも豪華なポテトの塩振りで「私は大丈夫」と背中で私に語りかけた。塩の量は以前よりも多めで、思わず「しょっぺー」と言ってしまうほどだったが、エリエールにその責任を押し付けることは出来ない。

 

ただ、私はどこか楽観している部分もある。衰え知らずのプロポーション、壇蜜を思わせる妖艶な瞳、話し相手をニヤニヤさせる内から湧き出るフェロモンと、まだまだ一人の“女”として土俵に立つ質が彼女には十分ある。勿論本人次第ではあるが、私はエリエールがもう一度幸せを掴むことを願っている。

 

マクドナルドの経験は今後の恋愛でも十分活きる。マクドナルドのマークに負けないエム開脚、ポテトの出来上がり音に負けない出来上がりの音「パオパァ~♡パオパァ~♡パオパァ~♡」、ポテトに振りかけている以上の潮。。。

もし彼女が再び幸せを掴んだ暁には、おめでとうの意味とマクドナルドの売上向上に貢献するため、とても食べきれない量のハッピーセットを頼みに行くつもりだ。その日を心待ちにしている。

マクドナルド 失敗の本質: 賞味期限切れのビジネスモデル

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