さよなら妄想

現実と妄想の狭間で

恋愛で負った心の傷跡はホットドッグが解消してくれる。

最近バラエティ番組で蛭子能収が出ていると、ついついチャンネルを止めてしまう。

それは彼が放つKY発言に期待しているから。

以前他の番組で

『葬式に出ても、おかしくなっちゃって笑ってしまう』という、周囲をドン引きさせる発言をしていたが、私は引くよりも似たようなタイプの人材を見つけたという嬉しさが優っている。

思えば私の人生もKYによって彩られてきた。

その中でも人生で最初に起こったKY事件を紹介する。これを見た人は、同じことをして周囲を引かせないように注意願いたい。

慰めが怒りに

事件は高校1年の頃に起こった。

怒らせてしまったのは、クラス一明るい女性(以下明子)。

彼女は男女関係なく誰とでも話をするクラスのムードメーカーであり、一部の男からは憧れの存在でもあった。

授業中も積極的に授業に参加し、お昼休みは子供のようにはしゃぎ回り、部活動ではペ、、、いやテニス部に所属するなど、充実した学園生活を送っていた。

 

そんな明子も他の女性同様に恋をした。

ある朝、ルンルン気分の明子と廊下ですれ違う。明子が週末に合コンへ参加することはクラスメートなら知っていたことなので「いい男いたの?」と聞いたら『YES!!』という明るい返答をしてきた。

相手は2kmも離れてない高校の1歳上らしい。しかし、そこからが少し面倒で、私は明子の前の席に座っていたので、休み時間やお昼休み、掃除後の時間まで何度もその男の話を聞かされた。

・凄いレディーファースト

・バスケ部

・同級生が幼稚に見える

週末の土曜に合コン⇒翌日デート&交際スタート⇒デレデレの月曜日となった様子。

 

※若さとは勢い※

 

こうして自慢話を聞かされること1週間。

カレンダーに目をやると、翌週の月曜が祝日であることに気づく。

『月曜休みと重なって他校のバスケボーイとも重なるってか?ええ?』とは当時の私は言えやしない。

 

3連休明けのクラスはどんよりとした空気が充満していた。

原因は明子で、朝っぱらから号泣していたのだ。

隣には友人が座り慰めている

『大丈夫だって!忘れようよ?ね?』

理由を聞ける空気ではなかったが、明子の涙は隣に座る梅木君の髪型がきのこの山のようになっていることや、Tバックを逆に履いてきてしまったというようなことではなく、彼氏との間で問題が発生したことを意味していたことはドーテーでも分かった。

私はそっと明子の前の自分の席に座り、話を盗み聞きしていた。

『だってぇ、、、ふぇふぇふぇ、、、コンファお、、、ビドイじゃん』

恐らく「だって、こんなの酷いじゃん」

と普通の会話さえままならなかったものの、一限目の先生がクラスに入り、一旦泣くのを停止し、その後二限目まで終了したところで再び涙腺が崩壊。

友人が駆けつけ『明子は悪く無いから!』という励ましの言葉を掛ける。

『ねえ!そうだよね!?』と、近くにいた男に意見を求めると、その男も同調し『そうだよ!元気だせよ!』と励ますものの、ドーテーの言葉は不思議とピンとこない。

そこで私は思い切って明子に聞いてみた『何があったの?』と。

すると、明子はボロボロ泣きながら私に説明した。長くなってしまうので要約すると。

・土曜日 彼の家に行き初体験

・日曜日 彼を家に呼び2回目の経験

・月曜日 彼の家で3回目の経験

そして火曜(当日)の朝『お前とはうまくやってけそうにないから別れよう』と一方的に別れを切り出されてしまったようだ。

 

ここまで赤裸々に聞かされると聞いてるほうが恥ずかしくなるが、一言で言えばポイ捨てさせられたのだ。

この時、実は笑いを堪えるのがしんどかった。

心に住むデビルな人格が現れて、私にこう囁く。

・3発3日の修学旅行じゃん

・スリーポインツシュート決められたね

・賞味期限早!あなたは豆腐ですか?

・確変入ったね

別の意味で辛かった。

昼食中も明子の嗚咽は止まらない。

他のクラスの友人も駆けつけて

『マジサイテーな男だね!』

『文句言いに行こうか?』

など同情して明子の傷んだ心を少しずつ和らげてくれていた。

 

少しして、私はそろそろ自分の出番かなと感じ、昼休みにパン売り場で買った、ホットドッグを取り出して明子の前で、今で言うところの恵方巻きのように食べてやった。

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泣いていた明子が止まり『え?何?』と、聞いたので『ほれ!』と逆側からどうぞ的に近づける。

『ねえ?何ふざけてんの!』明子の友人が怒りを見せる。

続けて『なんで明子の傷口を広げるようなことをするの!?』とブチギレモード。

あれ?ということは君はホットドッグを見て、、、、、という事も当時の私は言えないが、私の言いたいことを代弁してくれた明子の友人には頭が上がらない。

一見お馬鹿な行動だったが、『馬鹿じゃないの?』と明子の笑顔が戻ったことは間違いなかった。

 

翌日、明子は明るさを取り戻したようなので、お昼休みに再度ホットドッグを食べてみた。

『いる?』と聞くと、『要らないよ』というので『週末いっぱい食べたもんね』と、ポロリが出てしまった。。。

 

『ねえ!どういうこと!?』と、再び明子の顔から笑顔が消え、教室を出て行った。。。

帰りの時間、明子は先生に席替えの提案をしていた。

どうやら前に座る私のせいで黒板がよく見えないから変えてほしいとのことだが、理由はそれだけじゃないのはクラスのみんなが分かっているし、私も分かっている。

 

席は明子の希望通り私と離れた位置に変わり、以後話す機会は極端に減った。

それからも私は学校のパン売り場にホットドッグを見かけては買っていた。

食べる度に明子をチラチラ見るものの、一度も目が合うことはなかった。

今にして思えばKYなことをして明子の傷口に塩を塗るようなことをしてしまったが、学校で売っていたホットドッグは薄味だったので、丁度良かった。

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ホットドッグ事件からもう少しで20年を迎える。

明子は今どこで誰のホットドッグを食べているのか分からないが、当時の私同様に恵方巻きスタイルでいてくれることを願うばかり。

いや、きっと恵方巻きで食べてるはずだ。