さよなら妄想

現実と妄想の狭間で

これからはスモールビジネスを複数抱えた人が生き残る時代が押し寄せてくる。はず。

『沢山法人抱えて順調そうだから、よければうちの会社に出資してくれないか?』2年前に約1年の準備期間を経て、仲間3名で起業をした友人から援助依頼が届いた。彼は豊富な人材コネクションに加え、営業畑で培った経験を活かして有名な海外ブランドを集めて、派手なセレクトショップを表参道にオープンさせていたが苦しくなったようだ。

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オープン当初はそれなりに盛り上がったようだが、3年目を迎えて売上も落ちてきた様子。悲しかった。私を悲しくさせたのは、2年以上連絡をしてこなかったにも関わらず、ピンチになって声を掛けてくることだ。もはや恥を覚悟でピンチを乗り切ろうという考えなのか?現在は簡単に会社を作れてあっさり潰せる時代。時代に応じた柔軟さを持ち合わせてなかった彼は、間違いなく経営者として失敗した。

 

「頼む!一生のお願いだ!何年かかっても返す!」余裕をなくした表情からは勝ち組オーラが消え、かつて私を『貧乏人相手にしたせこい商売人』とdisった雰囲気は一切ない。そもそもこの時点で友人ではなくなったが。。。「前にバカにしたことも謝る。だから頼む。。。」私は待った。もしかしたらこの男は野々村議員のように「頑張ったけど売上伸びないから、、そやったら私が、はぅっ、はぅっ、金借りてぇ、文字通りぃ〜、うはあははーん!、命がけでぇー!へーうわはーん、うぇん、ふん。」と壊れてくれるのか?と待ってみた。が、壊れなかった。良く見ると涙は出てない。涙の出ない号泣感?どこかで感じたことあるこの空気。。。そうだAKBの総選挙の演説で、泣き顔なのに涙が全く出てないあれだ!

 

私は飲みかけのコーヒーをチューチュートレインしながら沈黙を続けた。『今出資してくれれば日本未発売の◯◯を独占的に仕入れることが出来るんだよ!』と熱弁をふるう。が、過去に『せこい商売人』と言われた私の心には響かない。銀行からは融資されず、補助金などの申請も全て採択されずに茨道を歩いてもなお、彼の中では【海外の高級ブランド品を早く入手して独占できれば勝てる】という根拠のない自信があるようだ。私は貸す気はないものの「こっちも色々あるから余裕ないけど幾らぐらいなの?」と聞いてみた。すると、、、

『5,000万〜1億円』

うひゃひゃ〜な金額だ。当然ながら私には無理。真っ先に思い浮かんだのは、このブログで2回紹介しているカブちゃん。

aso.hatenablog.com

しかし、カブちゃんはゲイだが先見の明がある。恐らく、彼のプランに対して首を縦に振らないだろう。また、彼はカブちゃんの好みではなさそうだ。私は『その額は厳しい。そこまでの金額出すのはリスクが大き過ぎる』すると、、『なら幾らなら?1,000万円ぐらいなら大丈夫?』と完全に目が「¥」に変わって食いついてきたが『ごめん。無理だわ。他あたってくれ』と突き返した。未来ある若者もしくは実績がある人に出資するのはともかく、既に沈みかかっている船を助ける余裕も気持ちない私には、彼を助けることは出来なかった。過去に『せこい商売人』と言われたことは関係ない。彼が表参道でモテモテライフを送っていたことに嫉妬しているわけでもないし、上から目線で『せこい商売人』と言われたことは全然気にしてないし、恨んでもない。ただ単に、現状の彼のビジネスに乗っかることは危険だと判断しただけであって、過去に『せこい商売人』と言われたことは関係ないし、気にしてない。全然気にしてない。

彼は創業当初、私にこう言った。『ある程度日本人が好きそうなブランドを人気の街で販売できれば後追いでも必ず勝機はある。楽勝だよ。』続けて『アソーのように小さい稼ぎを幾つも持った所でそれは成功とは認めない。ある程度軌道に乗ったらこっち来る?』と一線を引いてきた彼のニヒルな笑顔は忘れない。そんな彼ももう少しでゲームオーバーになりそうな気配が漂ってきている。これが現実だ。

 

落ち込む彼の後ろ姿が気になり、後日彼のフェイスブックを見てみた。恐らく店舗近くにあるだろうオープンカフェで『これから新作の打ち合わせ!』という内容と、私に見せた時と真逆のキラキラした顔で写真に写っていた。コメント欄を見ると『久しぶり〜相変わらず忙しそうだね〜』という彼の友人からのコメントが入っていて、それに対し『お久!!忙しいけど順調だよ!今度飯行こう!』という返答が。私は投稿、投稿に対するコメント、返答の全てに『いいね』を押しておいた。それが今の私に出来る精一杯の気持ち。あっ、、、こういうところがきっと『せこい商売人』に繋がるんだ。。。せこい商売で頑張ろう。