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さよなら妄想

現実と妄想の狭間で

父が知らないおじさんと手を繋いでた

日記

親孝行とはなんぞや?ここ数年考えている課題に対する返答を、私はまだ見つけられずにいる。

一緒にお酒を飲む、旅行、孫の顔を見せるなど、少し考えるだけで色々浮かぶ。

しかし、共にお酒は苦手、父は旅行嫌い、孫の顔は見せれてない(愛犬Dが孫のようになっているが)。

なので、『元気で健康にいることが何よりの親孝行』そう決めつけて何もしていないが、全く気にならないと言えば嘘になる。

 

一方、父目線でどんなことが嬉しいか考えて見た。

趣味は、映画鑑賞、パチンコ、競馬、AV鑑賞。

友人の父親は登山、旅行、キャンピングカーを使ってドライブなど、アウトドアな傾向が多い中で、私の父はかなりのイン。

引きずり出すのは至難の業であり、無駄な提案は断固拒否される。

 

『同窓会に行ってくるから、D君お願いね!』妻が外出したことで、家に居てもやることないからと、久々にDを実家にDを連れて行くことになった。

いい機会だと、Dを家に預け、そのまま父を近所に出来た銭湯に連れて行くことを思い付いた。

銭湯は数年前までかろうじて父の行動パターンに含まれていたので、それならOKを出すだろう。

実家に着き、銭湯の説明をしたところで父がわざとらしく登場。

『最近行ってなかったけど、行く?』という流れになり、そのまま車でGO。連れ出すのは意外にも簡単だった。

銭湯にて

実家から車で15分。

新しく出来たスパは日曜ということもあり、駐車場は満車気味。

とりあえず、風呂に入ろうということになり、風呂場に二人で直行。

脱衣所で生まれたままの姿になった父は、完全に老いた男。

昔見たガッチリとした体型は見る影も無く、インドアに過ごす毎日の結果が、現在のシワポヨボディーという結果になって現れいた。

ちなみに私を見た父は、『お前大っきくなったな』と、30過ぎの息子に対する言葉のチョイスがおかしい気もしたが、褒め言葉として捉えた。

こうして裸を見てあれこれ言い合うのも20年ぶりぐらいだろうか?その後、シャワー、様々な種類のお風呂、サウナを楽しみ、約1時間で風呂を出た。

そのスパは他の設備も充実していて、私はマッサージ、父はテレビと自由時間を過ごす。

 

その後、和室の部屋で少しのんびりと過ごす。父は新聞、私は漫画。

言葉は交わさないまでも久しぶりの父との時間を感じた瞬間。

気づくと父は寝ていた。

妻が帰ってくるのは夜なので、もう少しここにいるか。そう考えて、飲み物を買いにその場を離れ、売店でおすすめのチラシが張ってあったフルーツジュースを2つ購入。

そして、和室の部屋に戻る。

 

父はまだ寝ていた。

しかし、先ほど私が席を離れる前と違うことが一つ。

それは、父の隣にいたおじさんも寝ていて、お互い向い合って手を繋いでいたこと。

その光景はペットであれば可愛いで収まるが、おじさん同士だと中々厳しい。

幸いにも顔の高さが若干異なるので、いけないキスに発展する気配はない。

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父は無口で、私に人生の方向性を示すようなことはしなかった。

進学も就職も相談したことも、心配してもらったこともない。

父親らしくないと言えばそれまでだが、その分、一緒に外出することが何より嬉しかったことをしっかりと覚えている。

前回父と一緒に出掛けたのはいつだろうか?記憶が定かではないが、二人きりとなると20年ぐらいぶり。

久々に色々話をする機会を持てたことは、素直に良かったと思っている。

話をしていて、父に対する恩返し、それはやはり健康でいること、真面目に働くこと、自分の家庭を大事にすることだと改めて思った。

 

他の人が行っているような親孝行をしても父は喜ばない。

いっその事、大量のAVをあげたほうがよっぽど喜ぶだろうが、それはそのまま母のストレスを高めてしまうので、遠慮している。とにかく、普通が一番。

そんな久々の親子同士の会話が出来たスパで、名前も顔も知らないおじさんと、『グワーグワー』と大きないびきを出し合い、手を繋いで父は寝ている。

お互いに、若かりし頃のアバンチュールの続きを見ているのだろうか?分かることは見ていて気分が非常に良くないということ。

 

『ふあっ!』知らないおじさんが奇声と共に起床し、父の手を握っていることに驚き、バッと手を解く。

少しして現状を理解したおじさんは恥ずかしそうにその場から立ち去る。

父はまだグーグーねている。

先ほどの共同いびき『グワーグワー』の『グ』を担当していたのが父で、知らないおじさんが『ワ』を担当していたことが分かったが、どうでもいい。もうしばらく寝かせてやるかと、父の分に購入したフルーツジュースも飲み干した。

 

親孝行とはなんぞや?恐らく、一生かかっても見つからない答えだろう。

少なくとも、知らないおじさんと手を繋いで寝ると、周りがドン引きするということを身をもって証明してくれた父には感謝しておきたい。

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